秋葉原小林歯科クリニック

  東京都千代田区神田
     佐久間町1-26

     03-3255-6480

     小林 昭彦

 

症例

1.二輪車による転倒事故。

二輪車転倒事故

外傷性歯牙欠損

この患者さんは、事故当日来院されました。1本の上の前歯を失っておりましたが、事故の衝撃により左右両隣りの歯も先端1/3を折っていて、歯の神経が露出していました。このため、歯を失った部位の消毒と左右の歯の神経をとりました。この両隣りのダメージを受けた歯は根の治療をしながら一定の期間様子を見て、残して白いセラミッククラウンを被せるか抜歯して歯を失った場合の治療を行うこととなります。

歯を失った部位の治療は、欠損補綴と呼びますが、従来は可撤式義歯(入歯)・ブリッジ(歯を失った部位の両隣りを削って橋を渡します)のみでしたが、事故の場合は、上の写真のように両隣りの歯に少なからずダメージを与えますから、インプラント治療は積極的な選択肢の一つです。

初診時にあっては、1歯の喪失であるが、左右両隣在歯は外傷性露髄により、抜随処置を余儀なくされた。一定期間経過をみて、抜歯または保存的治療に進めるが、症状の緩解が無く半年以上にわたって仮歯による経過観察を見る場合もある。

 

 

この場合は、初診時の歯牙欠損部位に対して、まず1本のみのインプラント埋入手術を先行して行うこともあります。ただし、後に他の受傷部位も抜歯を余儀なくされることもあるので、インプラント埋入手術前に、診断用模型、CT検査(診断用ステントを装着しCT撮影したうえで、3D画像によるシュミレーションが望ましい)が必要です。

交通事故・労災事故は、上下前歯に頻発するが、事故被害者救済の意味から、発音・咀嚼・嚥下などの機能性のみならず事故以前の審美性をも高度に回復する必要性がある。

また、受傷直後に仮歯を装着して切端1/3を破折し歯根などにも相当のダメージがあったであろう左右両隣在歯に咬合圧を付加することは今しばらく避けたい。

またここで、両隣在歯の経過を見ている期間に、歯牙喪失部位に一時的にせよ可撤式義歯(入歯)を装着することは、歯牙喪失部位の歯周組織(骨や歯肉など)の吸収を招く恐れがあること、また幸いに隣在歯の(肉眼で見える)破折はなく、ここに可撤式義歯(入歯)のクラスプ(針金)をレスト座を形成せずに設計することは、同部に早期接触を惹起し、ダメージを受けた歯牙に問題を生じさせることが考えられます。この点を考慮したプロビジョナル(仮歯)の設計が必要となる。

2.事故外傷症例 前歯2本を喪失した症例

 

破折歯牙 上の前歯2本が外傷性歯牙破折となり、歯周組織を極力保存して抜歯。
上前歯2本喪失 同患者に、インプラント埋入後、2ヶ月間ほど骨と結合するまで、治癒期間として待ちます。
2次手術 2次手術2日後。ヒーリングアバットメントをインプラントに装着して歯肉を貫通しました。
骨のある方向にインプラントが埋入されている。
インプラントに、スクリューで仮の柱を装着しました。
仮歯 仮の歯を、装着しました。息が漏れるか、形やかみ合わせの様子を見ます。

 

上あご前歯インプラント 最終的なアバットメントは、チタンによるスクリュー装着とセメント装着の2種の上部構造物を連結としました。
最終補綴物 口唇をめくりますと、この様に少々長い歯となっておりますが、口唇を閉じた通常の状態は実に自然な仕上がりとなりました。11と21の歯がインプラント2本に装着した人工のセラミックの歯です。
金属にセラミックを焼き付けた上部構造。上記の口腔内と口腔外で色調が異なるのは、背景色とカメラの設定が異なったためです。
スクリューホール インプラントの方向性の制限を受けましたので、左の前歯は、スクリューリテイン、右はセメントリテインとしました。裏側(口蓋側)から見た写真です。

 

 

3.未成年事故外傷 上前歯2本の破折と下前歯の破折線

 

 

未成年破折 一見、事故外傷により左上前歯2本が破折したようです。
破折拡大

対合する下前歯に歯列不正があり、下の2本の前歯に、縦に走る破折線が認められます。

この患者さんは、次の症例4.ときわめて類似していますが、ラミネートベニアによる修復は対合歯(下の前歯)の歯並びが乱れて、さらに強く破折歯に接しているので禁忌です。下前歯の歯並びを治したうえで、破折歯に連結したセラミッククラウンを装着することとなります。

 

4.上前歯2本の外傷性破折

前歯 折る 上の前歯2本を折りました。
ラミネートベニア ラミネートベニア(セラミックで作った薄いつけ爪のような人工歯)を歯の表面に接着しました。

 

 5.左上前歯1本を失ったケース。

 

 


前歯1本失う 歯周組織が十分に残っている。
セラミックアバットメント 早期にインプラントを埋入したため、欠損部の歯肉が奇麗なスキャロップ(三角形)を描いている。
歯肉付きポーセレン 歯周組織(骨・歯肉等)を大きく失った場合は、ピンクポーセレンを用いて、歯肉まで審美的に補綴が可能です。
ジルコニアフレーム

黒っぽい色:従来の金合金を用いたフレーム。レーザー溶接や鑞着により修理が可能。

白い色:ジルコニアフレーム:上記金合金フレームよりも、審美性・滑沢性・材質の長期安定性・金属アレルギーの回避という点で優れている。破損・不適合では、修理は不可能。

 

クラスプなし義歯

クラスプなし義歯といっても、金属製のクラスプ(針金)が無く、代わりに弾力性のある特殊なレジンをクラスプとしています。

利点:金属の針金がみえない。

欠点:隣在歯の歯頚部(歯の歯茎より)まで、入れ歯が覆うので、歯周病になりやすい。

クラスプレスデンチャー

クラスプなし義歯装着例。抜歯後インプラント埋入までの期間、インプラント埋入後2次手術までの期間、印象(かたどり)後、人工歯装着までの期間に仮の歯として使用することもあります。

担当医に、隣在歯の歯周組織検査を、高頻度に行ってもらいましょう。

 

 

2010.09.17更新

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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